整形外科整形外科・ 脊椎脊髄外科
手・末梢神経外科・人工関節外科

診療概要

整形外科は、四肢・骨盤や脊椎・脊髄(運動器)の疾患・外傷を扱う診療科です。四肢の運動器とは、肩・肘・手・指・股・膝・足などの関節、これらを支えている骨・軟骨・筋肉・神経・血管などを指します。脊椎は、体を支えている背骨であり、背骨の障害や背骨の中を通っている脊髄や神経根も対象としています。
脊椎脊髄外科は、整形外科の分野のなかでも、高度な技術と専門性を要求される分野で、主として背骨(脊椎)および背骨の中を通る神経(脊髄)の疾患、外傷、腫瘍を取り扱います。手・末梢神経外科(平成26年4月より名称変更)では、疾患や外傷による上肢(肩・肘・手・手指)機能障害に対する機能再建を図るべく、専門的診療を行っています。人工関節外科では、変形性関節症・関節リウマチ・骨壊死など関節疾患治療に重点を置いています。

当科では現在19名の医師が、診断・治療にあたりますが、特に脊椎・脊髄、手・末梢神経、股・膝関節、リウマチの疾患や外傷が非常に多く、それぞれの専門医が治療にあたります。頚髄症、頚椎後縦靱帯骨化症、脊髄腫瘍、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、腕神経叢損傷、肘部管症候群、手根管症候群、変形性股関節症、変形性膝関節症、膝半月板損傷、リウマチ性関節疾患などが当科の非常に多い代表的疾患です。また、労働災害・交通事故などに伴う外傷は多くが四肢・骨盤・脊椎の外傷を合併しており、運動器外傷センター(平成26年4月より開設)として対応する緊急手術が多いのも特徴です。いずれの分野も、十分な説明・低侵襲・高い安全性を心がけ、早期離床・早期機能回復に努めています。

当科では、急性期病院として手術を要する疾患・外傷をその主たる治療対象としており、ロコモティブシンドローム・骨粗鬆症など慢性疾患で薬物療法・理学療法の対象となる方や、外傷であっても手術を要しない場合、近隣の医療機関と連携を図った上で、治療を行っています。

また、平成20年1月からは午前の整形外科一般外来に加え、午後には「脊椎脊髄外科」、「手・末梢神経外科」、「リウマチ・人工関節外科」の専門外来を開設しました。これらの専門外来は、初診からそれぞれの専門医のみが診察にあたり、午前の一般整形外科外来と同様に予約が可能です。

診療スタッフ

氏名 専門 専門医・認定医等
副院長(事務取扱)
運動器センター長
三上 容司 末梢神経外科
腕神経叢外科
マイクロサージャリー
手外科
機能再建外科
日本整形外科学会専門医
日本リハビリテーション医学会認定臨床医
日本整形外科学会認定リウマチ医
日本末梢神経学会理事
日本職業・災害医学会評議員
日本手外科学会代議員
日本手外科学会認定手外科専門医

日本整形外科学会代議員
運動器の10年・日本協会理事

整形外科部長
脊椎脊髄外科部長

三好 光太 脊椎・脊髄外科
マイクロサージャリー
日本整形外科学会専門医
日本脊椎脊髄病学会認定指導医
日本リハビリテーション医学会認定臨床医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本整形外科学会認定リウマチ医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
勤労者筋・骨格系疾患研究センター研究員

運動器外傷センター長
手・末梢神経外科部長

山本 真一

末梢神経外科
マイクロサージャリー
手外科
脊椎・脊髄外科
運動器外傷

日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
日本手外科学会認定手外科専門医
日本整形外科学会運動器リハビリテーション医
日本手外科学会代議員
人工関節外科部長
リハ科部長兼任
松本 雄

関節外科
人工関節外科
外傷・一般整形

日本整形外科学会専門医
日本リウマチ学会専門医
日本リウマチ学会指導医
日本整形外科学会認定リウマチ医
日本リウマチ学会評議員
運動器外傷センター副部長 石井 桂輔 外傷・一般整形 日本整形外科学会専門医
整形外科副部長
人工関節外科副部長
小泉 泰彦 関節外科
人工関節外科
リウマチ治療
日本整形外科学会専門医
日本リウマチ学会専門医
脊椎脊髄外科副部長 竹下 祐次郎 脊椎・脊髄外科
マイクロサージャリー
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
日本脊椎脊髄病学会認定指導医
医師 齊木 文子 脊椎・脊髄外科
外傷・一般整形
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
村瀨 修平 脊椎・脊髄外科
外傷・一般整形
日本整形外科学会専門医
長谷川 俊介 関節外科
人工関節外科
外傷・一般整形
 
中根 弘孝 関節外科
人工関節外科
外傷・一般整形
日本整形外科学会専門医
中嶋 香児 外傷・一般整形  
佐藤 昌樹 外傷・一般整形  
宮原 潤也 外傷・一般整形  
酒枝 和俊 外傷・一般整形  
八木 敏雄 外傷・一般整形  
清水 玄雄 外傷・一般整形  
大庭 紗希 外傷・一般整形  
有野 裕介 外傷・一般整形  
半井 宏侑 外傷・一般整形  

外来診療日

受付時間 8:15~11:00(予約の方は、予約時間に合わせて受付いたします)
※「予約」は事前予約または紹介状が必要です。
※初めて受診される方は、初診診療状況一覧表をご覧ください。

(注) ○印:副院長 ★印:部長 ☆印:副部長 
※手術・緊急呼び出し等により予告なく担当医に変更のある場合があります。ご了承ください。

臨床実績

  平成21年 平成22年 平成23年
年間総手術件数 1,577 1,618 1,622
  脊椎・脊髄 230 251 253
    頚椎 72 65 78
      頚椎脊柱管拡大術 41 42 42
      頚椎前方除圧固定 13 10 15
    胸椎 27 22 22
    腰椎 131 164 153
      腰椎椎弓形成 68 88 82
    インストルメンテーション 82 81 120
    脊髄腫瘍 16 10 12
末梢神経障害 61 38 37
  腕神経叢損傷 11 5 3
  手根管症候群 33 16 16
  肘部管症候群 7 7 4
人工関節 158 149 173
  人工股関節置換 63 47 74
  人工膝関節置換 91 82 71
  人工肘・指関節置換 4 20 28
人工骨頭置換 31 34 27
リウマチ関係の関節手術 87 77 62
     
  関節形成 2 1 0
膝鏡視下手術 41 12 19
  前縦字靱帯再建 0 0 0
  後縦字靱帯再建 0 0 0
  半月板切除・形成 30 12 19

脊椎脊髄外科 脊椎脊髄疾患について受診希望の方へ

当院整形外科では、患者数・手術件数の増加により、より高度で専門化した脊椎脊髄外科として新たな体制で診療にあたっております。首・腰・背中の痛み、上下肢のしびれ・痛み、運動障害、歩行障害、排尿障害などをきたした非常に多くの脊椎疾患の患者様が受診されます。上位頚椎から胸椎、腰仙椎まで全ての部位の疾患(脊椎症、椎間板ヘルニア、狭窄症、すべり症、靭帯骨化症、脊椎脊髄腫瘍、脊椎感染症、脊椎外傷など)を対象としています。
当科へは、手術目的で紹介受診される方が多いですが、脊椎変性疾患(脊椎症、椎間板ヘルニア、狭窄症)については麻痺(筋力低下、知覚障害、排尿障害など)がみられない患者さんは、まずは保存療法が優先され、外来での生活指導・装具療法・内服治療などを行い、改善が得られない場合でも、入院での保存療法(安静、牽引、ブロック、注射など)を行うことにより、改善が得られることが多く、手術以外の保存療法による良好な成績をあげています。

腰椎疾患に対する入院による保存療法の治療成績(平成17年)

  入院患者数 最終的に手術となった
患者数
保存療法にて軽快した
患者数
保存療法にて軽快し、手術を避けられた患者割合
椎間板ヘルニア 37人 6人 31人 83.8%
脊柱管狭窄症 93人 39人 54人 58.1%

(三好光太:腰痛疾患の基礎知識、市民公開講座講演(2006横浜市都筑区)より)

また、主として麻痺が発現している脊椎変性疾患(椎間板ヘルニア、狭窄症)、靭帯骨化症、脊椎脊髄腫瘍などに対し、手術の必要性・手術方法など十分な検討を行ったうえで、手術療法を行っていますが、1)疾患や手術のわかりやすい説明、2)手術前からの当院輸血部における自己血貯血および手術中の出血自己血回収装置を使用することにより、他家血を使用しない無輸血手術(平成18年:98.8%)、3)麻酔科専門医による全身麻酔および必要に応じ手術後ICUを使用した十分な手術前後の全身管理、4)主として無菌室(クリーンルーム)の手術室を使用した感染予防(平成18年:99.3%)、5)手術中における、手術用顕微鏡システム・手術用超音波診断システム・手術用コンピューターナビゲーションシステム・手術中迅速病理組織診断・脊髄神経電気モニタリングなどを駆使した安全性の高い手術、を心がけております。
手術治療を行った患者様の脊椎疾患としては、よくみられる椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症は無論非常に多いですが、さらに当科では、脊椎外傷、頚髄症、靭帯骨化症、(ダウン症、先天性骨系統疾患などの小児例を含めた)上位頚椎疾患、脊髄腫瘍などの難治疾患に関してより専門的な治療を行っており、遠方より数多くの患者様が手術目的にて来院されています。
脊柱管狭窄症や靭帯骨化による頚髄症に対する当科の脊柱管拡大術は、正中縦割式の拡大術を1991年の開院以来行っており、平成21年末までに約700件の実績があります。

過去5年間の頚椎脊柱管拡大術の手術実績

平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年
件数 38件 48件 48件 41件 41件

また小児の先天性疾患に伴う頚椎の環軸椎脱臼、変形に対する手術治療は、全国より患者様が来院され、今までに当科で手術経験のある疾患として、ダウン症、軟骨無形成症(アコンドロプラジア)、変溶性骨異形成症、先天性脊椎骨端異形成症(SEDC)、脊椎骨幹端異形成症、点状軟骨異形成症、Larsen症候群、Shprintzen-Goldberg症候群など数多くの疾患があり、それらに伴う脊椎病変に対する手術経験があります。さらに、小児の脊椎疾患として、側弯症に代表される脊柱変形があり、装具による保存療法を行いますが、進行性や高度な変形に対しては、手術による矯正固定術を行っています。側弯の程度や形態に応じ、前方手術・後方手術とも対応できます。

過去5年間の環軸椎脱臼や側弯症など小児に特異的な疾患の手術実績

平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年
件数 12件 26件 17件 20件 16件

上記のような診療実績について、当院脊椎脊髄外科では、毎年のように全国規模の学会や雑誌・書籍にて発表・報告・執筆し、日本の脊椎外科の先端水準を満たし、またその評価を受けるよう努力しております。
 脊椎脊髄疾患は、進行にも関わらず放置した場合には、歩行など日常生活動作に支障を来すことも事実であり、脊髄脊髄手術による高い治療効果を期待する一方、その手術は高度な技術を要し、リスク(合併症・危険性)が必ず伴います。当科では、慎重な合併症対策をとることにより、リスクの発生頻度を抑える努力を続けておりますが、完全に避けることは出来ません。合併症の発生頻度は、平成20年は全脊椎手術246件中、術後深部感染2例(洗浄など再手術にて全例治癒)、術後神経症状の悪化4例(内2例は非常に難治な脊髄髄内腫瘍症例。4例中3例は経過とともに改善し歩行も可能。1例は麻痺が持続。)、インプラント(固定手術用のスクリュウなど内固定材)の合併症1例(スクリュウの緩み対し再手術にて改善)などがありましたが、手術に関する死亡例は0例です。平成21年には全脊椎手術230件中、術後深部感染1例(洗浄など再手術にて治癒)、術後神経症状の悪化1例(頸髄症術後第5神経根領域麻痺)などがありましたが、手術に関する死亡例は0例です。
合併症に関しては、発生頻度を抑える努力を続ける一方、積極的に開示し、手術前後に十分な説明をするよう心がけております。

―関節外科―  変形性関節症やリウマチなどの関節疾患、または人工関節手術について受診希望の方へ

手足の関節に障害がある場合には、様々な症状があらわれます。

  1. 立ち座り動作や歩き始めに関節が痛い、階段がつらい、長く歩けない
  2. 関節が腫れる、水がたまる、突っ張った感じがする
  3. 関節を動かすと痛む、ゴリゴリ音がする、深く曲げられない
  4. じっとしていても、重だるい
  5. 手で物をつかみにくい・こわばる
  6. 手足がむくむ

などの症状は関節疾患の可能性があります。当院整形外科外来では、各患者様の症状や関節の状況に応じた、レントゲン検査やMRI検査、血液検査などからその原因を探ることが、治療の第一歩となります。その上で、原因に応じたリハビリや日常生活上の注意点などにつき説明をいたします。また、患者様の病状により、薬物治療や装具の作製なども必要となるかもしれません。このような治療は、各患者様の自宅近くの整形外科医師と連携をとりつつ行っていきます。
しかし、関節痛に対する薬物療法やリハビリ治療にて改善しない場合、痛みのために歩くことや上肢を動かすことさえできなくなってしまうことがあります。その代表的疾患が変形性関節症、関節リウマチ、骨壊死などです。この場合、患者様に痛みの少ない快適な生活・自立した生活を取り戻していただくためには、手術治療も一案です。
手術治療として代表的なものは、

  1. 関節の骨を一部切除して靭帯バランスを良くして治す治療法(骨きり術)
  2. 関節表面の悪い部分の骨を切除し、関節を金属とポリエチレンの人工物に取り替える人工関節置換術

などがあります。特に、人工関節置換術は痛みを大幅に軽減させ、関節の動きをスムーズにすることが可能なため、関節痛に苦しむ患者様にとって、日常生活をぐっと楽にすることが期待できます。当院での関節手術は、股関節・膝関節・肘関節を中心に行っていますが、関節リウマチの患者様では、股関節・膝関節・肘関節手術の他に、手関節痛、手指や足趾・足部の痛み・変形に対する手術も除痛や機能改善が十分に期待できます。また、患者様の状況にもよりますが、一般的には難易度が高いといわれている人工関節の再手術や小さな傷口で短期間での退院が可能な人工関節手術(低侵襲手術・MIS)も積極的に行われています。上記手術には、整形外科専門医・リウマチ専門医が責任を持って対応させていただきます。
当院で治療を受けるメリットとして、健康状態に不安のある方にも、循環器科や呼吸器科、消化器科など多くの内科専門医や麻酔専門医との連携により、手術中や手術後の健康上のトラブルには迅速かつ適切な検査治療を受けられます。また、リハビリ科との連携により術後早期から患者様の状況に応じたリハビリを受けていただくことができます。

関節外科の手術実績

平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年
人工股関節 23件 33件 39件 52件 63件
人工膝関節 28件 57件 58件 76件 91件
人工肘・指関節 1件 3件 3件 7件 4件
人工骨頭 25件 41件 40件 31件 31件
リウマチの関節手術   111件 127件 84件 87件

―手・末神経外科、腕神経叢外科―  上肢・手の機能障害など受診希望の方へ

当科は日本手外科学会認定基幹研修施設に認定されており、疾患や外傷による上肢(肩・肘・手・手指)機能障害に対する専門的診療を行っています。特に、四肢の末梢神経障害に対しては、詳細な神経学的診察と補助的に筋電図・神経伝導速度検査など電気生理学的検査や画像検査を行うことにより、高度な専門性のある診断・治療を行っています。
(上肢)機能再建がその目標であり、主な治療法として、装具やブロック注射などの保存的治療と、効果が不十分な場合・強い麻痺が生じている場合にはマイクロサージャリーを含めた手術的治療があります。
交通事故などで生じる腕神経叢損傷は、末梢神経損傷のなかでも高度な専門的診断・治療が必要です。当科では、術中電気生理学的検査はもちろんのこと、標準的手術法である肋間神経移行術において胸腔鏡視を併用することにより小皮切で行う試みを行っております。
さらに、神経修復が困難な方には、腱移行術などで機能再建を図っています。
手根管症候群・肘部管症候群・足根管症候群など絞扼性神経障害や、特発性前・後骨間神経麻痺についても、正確な神経学的診察と補電気診断のもと、必要な方には手術的治療を行っております。
その他、一般的な手の疾患・外傷(橈骨遠位端骨折・槌指・弾発指・デュプイトレン拘縮など)の治療も積極的に行っています。

手・末梢神経外科 手術実績

  平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年
腕神経叢損傷 11件 5件 3件 9件 7件
手根管症候群 33件 16件 16件 15件 12件
肘部管症候群 7件 7件 4件 4件 5件
手外科関連 395件 341件 316件 325件 360件

不安に思うことや疑問点、手術の詳細などは、予約センター(045-474-8882~8884)にてご予約の上お気軽にご相談下さい。

整形外科の詳しい情報

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